REWORK

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一人一人がゆるく繋がるシェアオフィス

浅草橋にあるシェアオフィス「Un.C.  -Under Construction-」。
REWORKをはじめるきっかけにもなったこのオフィスは、新しい働き方を試すいわば実験場だ。この連載コラムでは、Un.C.を運営する中で発見したこれからのオフィス環境の可能性をレポート。前回のリノベーションからUn.C.ができるまでの経緯に引き続き、第2回は、Un.C.の完成までと各スペースの紹介をしていく。

vol.1「Un.C.-Under Construction-ができるまで」

約40人が働くシェアオフィス

内装が出来上がった空間に対して、家具や什器を配置することで、約40席の固定席と共用部によって構成されるシェアオフィスが完成した。今回はそれぞれのスペースの紹介をしたいと思う。

まずは、スペースの大半を占める固定席エリアから。固定席は少し特殊で、既製品のデスクは使用していない。そもそもデスクではなく大きな棚をカスタムしてつくってある。これはパレットラックという製品で、倉庫用の棚。フォークリフトなどで荷物を積み上げるためのモノで、当然耐荷重も十分な頑丈な代物だ。

なぜこれを採用したかというと、一番の理由が天井高を活かしたかったら。普通にデスクを置いてしまうと、その上の空間がもったいない。そこでこのパレットラックを用いることで、上部も収納として有効に活用できるデスクになるのではないかと考えたからである。そして、ベースとなる倉庫っぽい空間に対しても違和感なく馴染み、デザイン的にも適していたことも理由のひとつだった。

一人あたりのスペースは幅1400mm、奥行き700mm。クリエイティブ系の職種を想定して広めのデスクサイズだ。さらに上部に棚が2段付くので、資料などを十分に収納できる固定席となった。

Un.C.の平面図
パレットラックによる固定デスク

さまざまなミーティングエリア

個人のスペースである固定デスクに対して、共用部には大きさや形式の異なるさまざまなミーティングスペースが展開されている。

まずは、大会議室。できるだけ全体がオープンになったオフィスを目指してはいるものの、機密性の高い内容を扱う会議を行うクローズなスペースは必要だ。そのため、1つだけ完全個室の会議室を設けた。そして少し囲われた半個室の小会議室に、壁に埋め込まれたベンチシート式の会議ブース。これらは、セミオープンの会議スペース。残りは完全にオープンなスペースにいくつかの会議テーブルを配置してある。

また、通常の高さの椅子とテーブルの組み合わせだけでなく、キッチン対面にはハイカウンター、そしてゆったりと座れるソファスペースも設けてある。

完全個室タイプの大会議室
半個室の小会議室
ベンチシートタイプの会議ブース
ソファエリア

会議には、外部のお客さんを招いて契約を交わすようなものから、スタッフ同士が雑談の延長で行うようなものまでさまざまだ。

そのように多様なモードに対応でき、その時の状況や気分によって選択できるミーティングエリアの在り方は、特に多くの職種の人が集まるシェアオフィスでは必然的な機能であろう。

充実した設備の象徴的なキッチン

オフィスを見渡せる位置にあるキッチンは、給排水処理の都合上一段高くなっているのだが、それによって一層全体を望むことができる場所となっている。

背面にあるネオンサインとグラスなどが置かれた棚により、まるでバーのような様相が特徴だ。そして見た目だけではない。業務用冷蔵庫に製氷機、レンジやオーブンに加えて炊飯器やパン焼き器まで備えている。もちろんIHコンロもしっかりあるので本格的な調理も可能だ。オフィスの端っこでお湯だけ沸かせるような従来の給湯室とは対極にあるような、かなり充実したキッチンスペース。そこまでこだわったのは、この場所をコミュニケーションのハブとして機能させたかったから。

ネオンサインを背負った店舗のようなキッチンスペース

たとえ同じ会社の人間であっても、業務を一緒に行っていない限りはなかなか交流するきっかけは生まれにくい。ましてやシェアオフィスともなればその傾向は一層強くなる。それを解消し、よりコミュニケーションが自然と生まれる装置がキッチンだと考えている。

その考え方は、海外の先進的なオフィスでは当たり前になっており、実際にサンフランシスコやシリコンバレーの企業を見てきたときにそれを目の当たりにした。なので、その実証実験をこの場所でどうしてもやってみたかったのだ。このキッチンがあることで、どういった効果が得られるのか。このときは、まだ分からないながらもその様子を妄想しながら期待に胸を膨らませていた。

<次回へ続く>

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