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最高の集中がイノベーションを生み出す「Think Lab」

「世界一集中できる場所」を目指したワークスペース「Think Lab」。革新的なアイウエアを提供し続ける「JINS」が東京・飯田橋にて運営している。オフィスにおけるコミュニケーションの重要性が叫ばれる昨今、ここは科学的根拠に基づき、「集中」を切り口とした斬新な働き方と空間の在り方を提案している。五感に訴え、深い集中へと誘い、個人のパフォーマンスを上げるワークスペース。そこには、働き方改革につながるヒントがたくさん詰まっていた。

科学的根拠に基づき、集中することに特化した「Think Lab」。どの場所にいても視界の10%ほど緑が入るように設計されている
space information

Think Lab(シンク・ラボ)

東京都千代田区富士見二丁目10番2号 飯田橋グラン・ブルーム29階

TEL:03-5275-7017

営業時間:平日/7時~23時(有人受付は9時~23時)、土日祝/9時~18時

人が自然と集中できる神社・仏閣からインスピレーションを受けた空間

アイウエアブランドJINSが手がける「集中」に特化した会員制ワークスペースThink Lab。ここはあらゆる科学的・医学的根拠に基づき、集中するために必要な要素がふんだんに仕掛けられた空間である。

人は「緊張」と「リラックス」の両方の要素が同時に揃っていないと深い集中に入ることができない。その状態が自然とつくられている空間が、実は神社仏閣だという。古来より人が深い瞑想にたどり着くための工夫が成されており、Think Labは神社・仏閣からインスピレーションを受け、「東京の高野山」を目指してつくられていった。

参道をイメージしたエントランスからのアプローチは心地よい緊張感を与える
暗い参道を抜けると、そこには高層ビル群、皇居などパノラマの風景が広がる

入口を入ると、参道をイメージした細長く暗い道が広がる。スッキリとした森林の香りが漂い、神経が研ぎ澄まされていく。

長いアプローチを抜けると一気に視界が開け、パノラマの風景と緑に囲まれた心地よい空間が広がる。頭上ではかすかに鳥や植物のさざめきが、足元からは水が流れる音がする。緊張からの解放によりリラックスすることができ、集中モードへと自然とシフトすることができるのだ。

株式会社ジンズ JINS MEME事業部事業統括リーダー 井上一鷹さん

社員たちが、オフィスで全く集中できていないという衝撃の事実

PCメガネや花粉対策メガネなど、さまざまな機能性アイウエアをはじめ、目の動きから集中の状態を測ることができる次世代のアイウエア「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を展開するJINS。同社がなぜThink Labをつくることになったのか。スペースを企画したJINS MEMEの事業統括リーダーである井上さんにお話を伺った。

「JINS MEMEは『集中』を可視化できるため、集中が労働時間に代わる新たな働き方の指標となることが期待されており、2017年経済産業省の『HR-Solution Contest』ではグランプリも受賞しました。そんな中でよく言われたのが『JINSの社員は集中して効率良く働いているのでしょう』ということ。そこで実際にJINS MEMEで計測してみたところ、社員たちは全くといっていいほどオフィスで集中できていなかったんです。」

JINS MEMEからのデータを基に集中力を上げる研究を行っていた井上さんは、これをきっかけに科学的根拠に基づいた集中がコンセプトの空間づくりを企画した。予防医学研究者の石川善樹氏を監修に迎え、建築家の藤本壮介氏に設計を依頼。18社のメーカーと連携して、集中の効果が期待できるオフィス家具、照明、音響、食品などを導入し、細部にまで工夫が行き渡るワークプレイスが完成した。

ワークスペースには、上向き姿勢でアイデアを考える、前傾姿勢で作業に集中するなど、用途に合わせて座り心地が選べる3種類の椅子が用意されている
ドロップイン(1時間1500円)としても利用可能
畳のリラックススペースにはエアウィーブを導入。「Power Nap(パワーナップ)」と呼ばれる昼寝を推奨する
飲み物や食品も集中を高めてくれるものが用意された「MEME Bar(ミームバー)」。全て無料で利用可能だ

コミュニケーションに寄りすぎたオフィスが「集中難民」を生み出す

最近はフリーアドレスやリモートワークなどを取り入れる会社も増えており、「ABW(=アクティビティ・ベースド・ワーキング)」という考え方がオフィス設計の主流となっているという。ABWとは、仕事内容に合わせて働く場所や机などを選ぶ働き方のことを指し、オフィスは集中する場所とコミュニケーションする場所を回遊できるように設計されている。

しかしThink Labはその一歩先をいっている。コミュニケーションスペースと作業スペースを明確に切り分け、とにかく集中することを目指したワークスペースなのだ。そうした理由の一つに、日本人のワーカーは「集中難民」が多いからだと、井上さんは語る。

「人は深い集中にたどり着くまでに平均23分かかるといわれていますが、最近のオフィスはコミュニケーションに偏り過ぎていて、すぐに『ちょっといいですか?』と声をかけられてしまう。スマホが鳴ったり、返信しなければいけないチャットがきたり、全然集中ができない。さらに日本人は『空気を読む文化』が強すぎて、必要以上に他人に気を遣ってしまうので、集中という行為からは一番遠い国民なんです。だからこそ、誰にも邪魔されず一人で集中できる環境をつくりたいと思いました。」

集中スペースからは切り分けられたカフェスペース。集中の後はメンバー同士でコミュニケーション取り、アイデアを深めることができる

一人で集中し、「独創的」なアイデアを出す。それがイノベーションへと繋がっていく

「独創」という言葉は「独りで創る」と書くように、一人で考えないと新しいものは生まれないと、監修をつとめた予防医学研究者の石川善樹氏が唱えていたという。

「誰か一人が生み出した非定型なアイデアが、チームで体系化されていくことでイノベーションは起こっていく。会議ばかりしていても何も生まれないんですよね。集中するって実は苦しいことで、Think Labに4時間くらいこもると結構辛い(笑)。けれど、そうやって知の探索と深化、この両方を行わないと新しいものは生まれないんです。」

取材させていただいたのは、Think Labが誕生して約9ヶ月たった頃。実際に社員たちの働き方やパフォーマンスはどのように変化したかを伺ってみた。

「JINS MEMEで測ってみると、集中の度合いは上がっています。そして、ものを考える人が増えているという変化も感じています。特に若手の社員は2時間くらい誰にも話しかけられず急にポツンとさせられると、何かを生み出さねばと自発的に思うみたいです。そうしたマインドセットが変わってくることが何より大事だと思います。」

集中して効率化をはかり、アイディアを生み出すのに最適化しているThink Labは、まさに「時間の価値を上げる場所」といえるだろう。この9月には世界最大手のガラスメーカー「AGC株式会社」でThink Labが導入されることが発表され、Think Labはさらなる広がりを見せている。働き方改革が求められる昨今、改めてオフィスの役割として、「集中」の要素が求められていくだろう。

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