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天井高12mの“空中庭園”が働く舞台「ラクスル株式会社」

一歩足を踏み入れると、誰もがとにかくその天井の高さに驚くであろう。天井高12mという一般的なオフィスビルではありえない大空間は、ガラス張りの天井から明るい陽射しが降り注ぎ、天気の変化も四季の移ろいも身近に感じることができる。これまでの既成概念を打ち破るようなオフィスには、社員たちのクリエイティビティを刺激し、生産性を高めるエッセンスが至るところに散りばめられていた。

「空中庭園」がテーマのラクスルのオフィス。レイアウトされている植栽は全て本物だ
company profile

ラクスル株式会社

業種:情報・通信業

創立年:2009年9月

入居時期:2015年11月

社員数:188名(2018年4月末時点)

ガラス張りの天窓から自然光が降り注ぐ。 天井高12mの開放感あふれる大空間

「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」をビジョンに掲げ、印刷や物流の「シェアリングプラットフォーム」事業を手がけるITベンチャーのラクスル。印刷事業のイメージが強いが、実は同社は印刷工場を保有していない。全国の印刷会社をネットワーク化し、各社の非稼働時間を活用することで、低価格な印刷物を顧客に届けるサービスを提供している。また同社は2015年より物流シェアリングプラットフォーム「ハコベル」のサービスを提供開始。ハコベルは、運送会社に所属するドライバーの空き時間を利用して荷物を低コストで早く配送するサービスだ。伝統的な産業にITを持ち込み、ピラミッド型(多重下請け)の産業構造を変革するプラットフォーム事業で急成長を遂げている。

ラクスルのオフィスを訪れて驚いたのは何よりも天井の高さ。元住宅展示場だったという場所は天井高12mを誇り、伸びやかな開放感が感じられる。ガラス張りの天窓からは明るい光が差し込み、緑に囲まれた空間はまるで公園にいるような気分になれる。

ブランドコミュニケーショングループ・マネージャーの原田芳江さん

五感を刺激することが、 クリエイティビティ溢れるいい仕事を生む

ラクスルは印刷の価格比較サービスから事業をスタートさせ、2013年より現在の印刷シェアリングプラットフォーム事業を開始。以降社員は増え続け、現在のオフィスは5度目の移転となる。求めた条件は、10年は使い続けられること、そして天井の高い空間であることだったそうだ。

「オフィスコンセプトの一つは“COMFORTABLE”。社長の松本がアメリカ西海岸のオフィスを回った際に、天井が高く開放的な環境で、リラックスしながら仕事をしている風景を目にしていたこともあり、天井の高さへのこだわりは大変強かったようです。いい仕事を生み出すにはまずは快適な環境から。その結果生産性を高めることができると考えています。」

そう語ってくださったのは、同社のブランドコミュニケーショングループでマネージャーを務める原田芳江さん。幸運にも元住宅展示場という物件に出会うことができ、その後10社のオフィスデザインコンペを実施。

“PROGRESSIVE(革新的な)”“INTERACTIVE(相互的な)”“COMFORTABLE(快適な)”という3つのコンセプトが叶う空間を求め、決定までには1ヵ月半を要したそうだ。

くつろいで仕事ができるソファ席、集中できるブース席など、さまざまなスペースが揃う
オフィス全体を見渡せる2階のイベントスペースでは、ヨガ、筋トレ、卓球などの社内部活動も開催
どこで仕事をしてもOKだが、固定席も用意。エンジニアはスタンディングで作業する人も多いそう
執務スペースへの立ち入りは指紋認証システムを導入し、入館証いらず

大空間に生まれた「空中庭園」。 職種に関わらず、誰もが働きやすい空間を

採用されたのはオフィスを「空中庭園」に見立てるアイデア。大空間の中に会議室の機能を持った大きな木のボックスをレイアウトし、その上部を庭園とするというものだ。本物の植栽を利用するというアイデアも決め手になったポイントだったそう。屋内にいながら自然の中で仕事しているような感覚になれ、まさに五感が開いていくような空間である。

「それぞれ固定席はあるのですが、その日の気分や作業内容によって好きな場所で仕事ができます。日の光や生の木の匂いなどを感じられる空間は五感を高め、クリエイティビティを刺激してくれます。自分の心地よい場所で仕事できることで生産性も高めてくれています。」

同社はエンジニアも多く働いているが、一日中オフィスで働くエンジニアにとって働く環境は何よりも重要。社内の一部にはスタンディングで仕事ができる昇降デスクやハイカウンターが導入され、作業環境も整えられている。中にはこのオフィス環境が気に入って入社したというエンジニアもいるそうだ。

また、オフィスのコンセプトの一つである“INTERACTIVE”は、コミュニケーションを誘発させるシームレスな空間を目指したワード。社内には随所に社員同士が交流できる場が設けられており、「ちょっといい?」と声をかけやすい雰囲気が生まれている。気軽に立ち話ができ、オープンな会議スペースはそのままそこで打ち合わせを始めることに一役買っているそうだ。

「ラクスルスタイル」と呼ばれる行動指針が、社内の目につくところに飾られている

ビジョンや行動指針を共有し、コミュニケーションを 誘発する空間が、社員をつないでくれる

社内・社外のコミュニケーション設計に関わり、メッセージを伝える業務に携わる原田さん。コミュニケーションを促進してくれるオフィス環境について、次のように語ってくれた。

「コミュニケーションって、勝手に生まれるものではないんですよね。いい事業、サービスを生み出すためには職種、年齢、国籍など背景が異なる仲間たちと、一緒に協力していかないといけない。仕掛けがないとなかなかうまくいかないと思うのですが、堅苦しくなくて気取らないこの空間は、コミュニケーションをうまく誘発してくれていると思います。」

さらに、オフィスにはあらゆるところに会社のビジョンや「ラクスルスタイル」と呼ばれる行動指針がレイアウトされている。

「常に目に入るところにあるのは重要だと思います。読む気がなくても、つい読んじゃう(笑)。そうすることで私たちが最終的に何を目指して事業をしているのか、そのために大事にしたいことは何なのかを自然に意識できます。こういった小さなことの積み重ねが日々の行動につながっていくんじゃないかなと思います。」

事業拡大と共に社員数も増えているそうだが、ビジョンや行動指針を掲示することで新しいメンバーにも浸透し、カルチャーの維持につながるであろう。今年5月に東証マザーズに上場を果たし、さらなる成長が期待されるラクスルだが、今後もこのオフィスがその成長をサポートしてくれそうだ。

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